震災で家族を失った人々の再生を描く「宣誓」完成 「自衛隊員、被災者の思いや志を風化させたくない」
2026年2月11日 09:00

震災で家族を失った自衛隊員と少年の“喪失と再生”を描いたヒューマンドラマ「宣誓」の完成披露試写会が2月10日、都内で行われ、柿崎ゆうじ監督(「陽が落ちる」)をはじめ、主演の前川泰之、共演する竹島由夏、黄川田雅哉、出合正幸が舞台挨拶に立った。
陸上自衛隊の全面協力のもと制作された本作は、東日本大震災により被災地となった日常と現実の温度をリアルに映し出した。柿崎監督は「今年は震災から15年。あの時、本当に身を粉にして戦った自衛隊員、そして、被災者の方々の思いや志を風化させたくない。そんな思いで映画を作りました」と客席に語りかけた。

ディテールにも強いこだわりがあるといい、「普通の映画なら、衣装さんがいると思いますが、今回は全部、陸上自衛隊から提供を受けた衣装、小道具でやっています。もちろん(撮影後に)ちゃんとお返ししました」「俳優が身に着ける下着やインナーも、映像には映りませんが、実際に駐屯地にある売店で買いました」と、徹底したリアリティの追求を明かした。

「陽が落ちる」でも柿崎監督とタッグを組んだ前川は、津波で妻と幼い娘を失いながら、任務に立ち続ける自衛隊員・春日三尉を演じた。俳優人生初の主演映画となり「自分にも震災直後に生まれてくれた息子がいて、今年3月で15歳になるので、当時のことは強い記憶に残っている」と作品への思いを吐露。「今回、『宣誓』という作品に関わらせてもらい、役者として残せるものができた。復興とともに風化させてはならない思いが届けば」と胸を張った。
同じく「陽が落ちる」で主演を務めた竹島は、春日の同僚の女性自衛隊員・佐藤に扮した。役作りのために、現役、そして震災当時の女性自衛官に直接取材をしたそうで「皆さん、責任感と正義感が強い真っすぐな方たちばかり。リアルな人物像を作り上げないと、自衛官の皆さんに納得していただけないと思った」と振り返った。
春日らと救助活動に臨む隊員を演じた黄川田は、「3月11日というものをテーマにするのは、とても勇気がいることだと思います。でも、監督の誠実な作品を、どうしても皆さんに届けるという思いで、参加させていただいた」と出演を決めた理由を語る。
また、出合は本作への出演をきっかけに、予備自衛官補になったと明かした。筆記試験は「倍率が約3倍と高かったですが、一応受かった」そうで、「いま訓練中でございます。最初は年齢的に無理だろうと思っていたら、ある自衛官の方が『法改正で、いまは52歳まで大丈夫ですよ』と教えてくださった」と経緯を話していた。
「宣誓」は3月6日から、全国公開される。
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